改行が利かなくなった。とうとう駄目になったか。走らなきゃ。ポメラは高いのかな。ビックカメラを目指して走って行くと職場に着いた。グラスを持ち上げようとすると、腕が思うように上がらない。
「それもう病院行った方がいいですよ」
今ちゃんが言った。病院はちょうど真下だった。長々とした階段を下りて行く。ドアを開けると先生が待っていた。
「開いてごらんなさい」
シャツのボタンを外すと体の中が露わになった。配線が絡まりぐちゃぐちゃになっているようだ。
「先生、これ縫うのですか?」
看護師が聞いた。医者は糸が足りなくなると言って顔をしかめた。
「のり持ってきて!」
荒療治または藪医者かこいつ。